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🧘精神科

うつ病

うつびょう

持続的な気分の落ち込みと意欲低下を特徴とする気分障害

うつ病看護精神科抗うつ薬

疾患の概要

うつ病は、気分障害の一つで、精神的・身体的な様々な症状を伴い、日常生活に支障をきたす疾患です。病態生理としては、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)の機能低下が関与していると考えられています。また、ストレス、遺伝的要因、性格傾向、身体疾患、薬剤などが複雑に絡み合って発症するとされています。主な症状は、抑うつ気分、興味・喜びの喪失、食欲不振または過食、不眠または過眠、精神運動性の焦燥または制止、疲労感、無価値感、罪悪感、集中力低下、思考力低下、希死念慮などです。これらの症状が2週間以上続き、社会生活や職業生活に著しい障害を引き起こす場合に診断されます。検査としては、特定の診断マーカーはなく、問診による症状の評価が中心となります。DSM-5やICD-10などの診断基準を用いて、精神科医が総合的に判断します。鑑別診断として、双極性障害、適応障害、身体疾患に伴う抑うつ状態なども考慮されます。治療は、薬物療法(抗うつ薬が中心)、精神療法(認知行動療法、対人関係療法など)、電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激療法などがあります。治療目標は、症状の寛解、再発予防、社会機能の回復です。

看護のポイント

うつ病患者への看護は、まず安全の確保が最優先です。特に希死念慮の有無や程度を常にアセスメントし、自殺リスクが高い場合は厳重な観察と環境調整を行います。患者の訴えを傾聴し、共感的な態度で接することで、安心感を提供します。無理に励ますことは避け、患者のペースに合わせることが重要です。睡眠、食事、清潔などの日常生活援助を通じて、生活リズムの安定を図ります。活動性の低下が見られる場合は、少しずつ活動を促し、達成感を味わえるような機会を提供します。服薬管理では、抗うつ薬の効果発現まで時間がかかることや、副作用について説明し、服薬継続を支援します。患者教育では、うつ病が脳の病気であること、治療によって改善すること、再発予防の重要性などを分かりやすく伝えます。家族への支援も重要であり、病気への理解を促し、患者への接し方についてアドバイスを行います。退院後も、社会資源の活用や再発予防のためのセルフケア方法について指導します。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、不眠、食欲不振による体重減少、倦怠感、便秘などの身体症状を評価します。特に、内科的疾患の合併や薬剤の副作用による身体症状の有無を確認することが重要です。また、精神運動性の焦燥や制止の程度、表情、言動、衛生状態なども観察します。検査データとしては、特定のうつ病診断マーカーはありませんが、貧血、甲状腺機能異常、電解質異常など、身体疾患が抑うつ症状を引き起こしている可能性を除外するために、血液検査や甲状腺機能検査などが行われることがあります。これらのデータから、身体的な異常がないかを確認し、精神症状との関連性を総合的に判断します。また、薬物療法開始後は、抗うつ薬の副作用(口渇、便秘、排尿困難、めまい、ふらつきなど)の有無や程度を継続的にアセスメントします。自殺リスクの評価は、患者の言動、表情、行動の変化、過去の自殺企図歴などを多角的に観察し、定期的に行います。

関連する看護診断

1. 自殺の危険性: 抑うつ気分、絶望感、無価値感、希死念慮の存在に関連して。 2. 睡眠パターン攪乱: 精神的苦痛、不安、生活リズムの乱れに関連して。 3. 栄養摂取量不足: 食欲不振、抑うつ気分、活動性低下に関連して。 4. セルフケア不足: 意欲低下、疲労感、集中力低下に関連して。 5. 非効果的コーピング: ストレスへの対処能力の低下、絶望感、自己肯定感の低さに関連して。

看護計画の要約

【OP(観察計画)】 ・精神状態の観察:抑うつ気分、不安、焦燥、希死念慮の有無と程度、表情、言動、活動性、睡眠パターン、食欲、清潔状況。 ・身体状態の観察:バイタルサイン、体重、身体症状(倦怠感、頭痛、便秘など)、薬物副作用の有無と程度。 ・日常生活行動の観察:食事摂取量、睡眠時間、清潔行動、排泄状況、活動量。 ・コミュニケーションの様子:他者との交流、会話の内容、集中力、思考力。 ・自殺リスクのアセスメント:希死念慮の有無、具体的な計画、過去の自殺企図歴、精神科医との連携。 【TP(援助計画)】 ・安全な環境の提供:自殺企図のリスクに応じた環境調整(危険物の除去、頻繁な巡視)。 ・傾聴と共感的態度:患者の訴えを否定せず、ありのままを受け止める。 ・日常生活援助:規則正しい生活リズムの確立(起床・就寝時間の固定、食事の提供、清潔援助)。 ・活動の促進:患者の興味や能力に応じた活動の提案、達成感を味わえる機会の提供。 ・服薬管理と副作用対策:服薬の確認、副作用の早期発見と対処、服薬継続への支援。 ・精神療法への参加支援:認知行動療法や対人関係療法への参加を促し、効果を評価。 ・家族への支援:病気への理解促進、患者への接し方に関する助言、家族の負担軽減。 【EP(教育計画)】 ・疾患教育:うつ病の病態、症状、治療方法、予後について分かりやすく説明。 ・服薬指導:薬の種類、効果、副作用、正しい服薬方法、自己判断での中断の危険性について説明。 ・セルフケア指導:ストレス対処法、リラクゼーション法、睡眠衛生、規則正しい生活習慣の重要性。 ・再発予防教育:再発のサイン、早期発見の重要性、医療機関への相談タイミング。 ・社会資源の紹介:精神保健福祉サービス、自助グループ、就労支援など。