HOMEに戻る
感染症流行下における患者コミュニケーションの要諦
コミュニケーション2026/02/208分で読める

感染症流行下における患者コミュニケーションの要諦

感染症流行データから学ぶ!看護学生のための患者コミュニケーション術

皆さん、こんにちは!看護学生ライターの〇〇です。今回は、厚生労働省が発表した「インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の推移」というニュースを題材に、私たち看護学生が日々の学習や実習で意識すべき「患者コミュニケーション」の視点から、大切なポイントをお伝えしたいと思います。

「定点当たり報告数」という言葉、聞き慣れない人もいるかもしれませんね。これは、全国の指定された医療機関(定点医療機関)から報告される感染症患者数を、その定点医療機関数で割ったもので、感染症の流行状況を把握するための指標です。このデータを見ることで、今、どの感染症がどれくらい流行しているのか、その傾向を客観的に知ることができます。

流行データは「患者さんの不安」を映す鏡

皆さんは、この流行データを見て何を思いますか?「あ、今インフルエンザ流行ってるな」「コロナもまだ油断できないな」といった、感染対策への意識がまず向くかもしれません。もちろんそれはとても大切なことです。しかし、一歩踏み込んで考えてみてください。

これらのデータは、私たちが接する患者さんやそのご家族が、日々どれほどの「不安」を抱えているかを示唆しています。例えば、インフルエンザが流行していると聞けば、「自分もかかってしまうのではないか」「家族にうつしてしまったらどうしよう」「症状が重くなったらどうしよう」といった具体的な不安が募ります。特に、基礎疾患を持つ方や高齢者、小さなお子さんを持つ保護者の方々は、より一層の不安を感じるでしょう。

看護学生として、私たちは単に感染対策を指導するだけでなく、患者さんのそうした**「見えない不安」に寄り添い、言語化されていない感情を汲み取る**コミュニケーション能力が求められます。流行データは、患者さんの背景にある感情を想像するきっかけになるのです。

「情報提供」と「傾聴」のバランスが信頼を築く

感染症が流行している状況で、患者さんとのコミュニケーションにおいて特に重要になるのが「情報提供」と「傾聴」のバランスです。

1. 根拠に基づいた適切な情報提供

患者さんは、インターネットやSNSなど様々な情報源から情報を得ています。中には不正確な情報や、過度な不安を煽る情報も少なくありません。だからこそ、私たちは医療従事者として、正確で分かりやすい情報を提供することが求められます。

例えば、「今、インフルエンザA型が流行していて、特に〇〇歳代の方に多い傾向があります。症状としては高熱や関節痛が特徴的ですが、当院では〇〇のような治療法があります」といったように、具体的なデータや根拠を示しながら説明することで、患者さんは安心感を抱きやすくなります。厚生労働省の報告データは、まさにその根拠となる情報の一つです。

ただし、専門用語を羅列するのではなく、患者さんの理解度に合わせて平易な言葉で説明する工夫が必要です。例えば、「定点当たり報告数」という言葉も、患者さんには「今、地域でどれくらいの人がこの病気にかかっているかの目安ですよ」といったように、かみ砕いて伝えることが大切です。

2. 患者さんの声に耳を傾ける「傾聴」

情報提供と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「傾聴」です。患者さんは、感染症への不安だけでなく、病気によって日常生活に支障が出ることへの心配、治療への疑問、家族への影響など、様々な悩みを抱えています。私たちは、それらの患者さん自身の言葉や表情、しぐさから、真のニーズや感情を読み取る必要があります。

「何か心配なことはありませんか?」「最近、体調で気になることはありますか?」といったオープンな質問を投げかけ、患者さんが話しやすい雰囲気を作ることを心がけましょう。そして、患者さんが話している間は、遮らずに最後まで耳を傾け、共感的な態度を示すことが重要です。例えば、「それはご心配でしたね」「お辛かったでしょう」といった言葉を添えることで、患者さんは「自分の気持ちを理解してもらえた」と感じ、私たち看護師への信頼感を深めてくれます。

共感と個別性:流行期だからこそ大切にしたい視点

感染症が流行している時期は、医療現場全体が多忙になりがちです。しかし、そんな時だからこそ、一人ひとりの患者さんへの「共感」と「個別性」を忘れてはいけません。

例えば、同じインフルエンザにかかった患者さんでも、受験を控えた学生と、小さな子どもを持つ親御さんでは、抱える不安やニーズは全く異なります。学生さんには「学業への影響」を、親御さんには「家族への感染」や「育児との両立」といった視点から、それぞれに合わせた声かけや情報提供が求められます。

流行データは全体像を示しますが、目の前の患者さんは「そのデータの中の一人」ではありません。その人自身の生活、価値観、心配事を理解しようとする姿勢が、信頼関係の基盤となります。患者さんの話をよく聞き、その人にとって何が一番大切なのかを把握することで、より質の高い、個別性のある看護を提供できるようになります。

まとめ:データから想像力を広げよう

今回のニュースは、一見すると単なる数字の羅列に見えるかもしれません。しかし、私たち看護学生は、これらのデータから、患者さんや社会が抱える「不安」や「ニーズ」を想像し、どのようにコミュニケーションを取るべきかを考えるきっかけにすることができます。

正確な情報に基づいた説明、そして何よりも患者さんの声に耳を傾け、共感する姿勢。これらが、感染症流行下において患者さんと信頼関係を築くための重要な鍵となります。日々の学習や実習の中で、ぜひこの視点を意識してみてください。皆さんの成長を応援しています!