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👴老年

低栄養

ていえいよう

栄養摂取不足により身体機能が低下する状態で、高齢者に多い

低栄養看護高齢者栄養管理

疾患の概要

低栄養は、エネルギーやタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が慢性的に不足している状態を指します。高齢者において特に問題となり、サルコペニア(筋肉量・筋力低下)やフレイル(虚弱)の原因となります。病態生理としては、摂取量の不足、吸収障害、代謝亢進、排泄亢進などが複合的に関与します。高齢者の場合、食欲不振、咀嚼嚥下機能の低下、消化吸収能力の低下、基礎疾患、薬剤の影響、社会的要因(独居、経済的困窮)などが主な原因となります。主な症状は、体重減少、倦怠感、筋力低下、浮腫、皮膚乾燥、褥瘡のリスク増加、免疫力低下による感染症罹患率の上昇、認知機能の低下など多岐にわたります。検査では、血液検査(血清アルブミン値、プレアルブミン値、総リンパ球数、Hb値、CRP値など)、身体計測(BMI、上腕周囲長、握力)、食事摂取状況の評価などが行われます。治療は、原因疾患の治療に加え、栄養状態の改善が中心となります。経口摂取が可能な場合は、栄養補助食品の活用、食事内容の工夫(高カロリー・高タンパク食、少量頻回食)、食欲増進剤の使用などが行われます。経口摂取が困難な場合は、経腸栄養(経鼻胃管、胃瘻など)や経静脈栄養が検討されます。早期発見と介入が重要です。

看護のポイント

低栄養の看護では、まず患者さんの栄養状態を正確に把握することが重要です。観察項目としては、体重の変化(特に意図しない体重減少)、食事摂取量とその内容、食欲の有無、咀嚼・嚥下機能、口腔内の状態、排便状況、皮膚の状態(乾燥、弾力性、褥瘡の有無)、浮腫の有無、活動性、倦怠感の有無などがあります。ケアの実際としては、食事環境の整備(快適な空間、食べやすい姿勢)、食事内容の工夫(嗜好に合わせた献立、見た目の工夫、調理法の変更、栄養補助食品の活用)、水分補給の促し、口腔ケアの実施、適度な運動による食欲増進と筋力維持、褥瘡予防のための体位変換やスキンケアなどが挙げられます。患者教育では、低栄養のリスクと改善の重要性を理解してもらい、食事内容の選択、栄養補助食品の活用方法、口腔ケアの重要性、適度な運動の継続などについて具体的に指導します。家族への指導も重要で、食事の準備や摂取の介助方法、見守りのポイントなどを伝えます。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まず全身状態を観察します。皮膚の色調、乾燥、弾力性、浮腫の有無、褥瘡の有無と程度を確認します。筋肉の萎縮や筋力低下の有無(握力測定など)、関節可動域も評価します。口腔内は、義歯の適合性、歯肉炎、舌苔、乾燥の有無などを確認し、咀嚼・嚥下機能の評価(誤嚥徴候の有無)を行います。消化器系では、腹部膨満、圧痛、腸蠕動音、排便状況を把握します。神経系では、意識レベル、認知機能、倦怠感の程度を評価します。検査データでは、血清アルブミン値(基準値3.8-5.2g/dL、低値で低栄養の可能性)、プレアルブミン値(基準値20-40mg/dL、より短期的な栄養状態を反映)、総リンパ球数(免疫能の指標)、ヘモグロビン値(貧血の有無)、CRP値(炎症の有無)、電解質バランスなどを確認します。身体計測では、BMI(体重kg÷身長m²、22が標準、高齢者では20以下で低栄養リスク)、上腕周囲長(筋肉量・脂肪量の指標)を測定し、経時的な変化を追います。

関連する看護診断

1. 栄養摂取量不足:食事摂取量の減少、食欲不振、咀嚼・嚥下機能の低下に関連する。 2. 身体活動性低下:筋力低下、倦怠感、全身衰弱に関連する。 3. 皮膚統合性障害リスク状態:栄養状態の悪化、浮腫、活動性低下に関連する。 4. 感染リスク状態:免疫能の低下、皮膚・粘膜の脆弱性に関連する。 5. 誤嚥リスク状態:咀嚼・嚥下機能の低下、口腔内の問題に関連する。

看護計画の要約

OP(観察項目):体重・BMIの経時的変化、食事摂取量と内容、食欲、咀嚼・嚥下機能、口腔内の状態、排便状況、皮膚の状態(乾燥、浮腫、褥瘡)、倦怠感、活動性、血液検査データ(アルブミン、プレアルブミン、Hbなど)。TP(ケアの実際):個別性のある食事内容の提供(嗜好、嚥下能力に合わせる)、栄養補助食品の活用、食事環境の整備、口腔ケアの実施、誤嚥予防のための食事介助、適度な運動の促し、褥瘡予防のための体位変換とスキンケア、水分補給の促し、必要に応じて医師への報告と治療方針の検討。EP(患者教育):低栄養のリスクと改善の重要性の理解、栄養バランスの取れた食事の選択方法、栄養補助食品の適切な使用方法、口腔ケアの重要性、適度な運動の継続、家族への食事介助や見守りのポイント指導、かかりつけ医や栄養士への相談の促し。