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🫘腎・泌尿器

尿路感染症

にょうろかんせんしょう

尿路に細菌が感染し炎症を起こす疾患

尿路感染症看護膀胱炎腎盂腎炎

疾患の概要

尿路感染症(Urinary Tract Infection: UTI)は、尿路系(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に細菌が侵入し、増殖することで炎症を引き起こす疾患です。病態生理としては、主に腸内細菌である大腸菌(Escherichia coli)が尿道から上行性に侵入し、膀胱炎や腎盂腎炎を引き起こします。女性は男性に比べて尿道が短く、肛門との距離も近いため、罹患率が高い傾向にあります。原因は、不適切な排泄習慣、性行為、尿路カテーテル留置、基礎疾患(糖尿病、尿路結石、前立腺肥大症など)による尿流停滞、免疫力低下などが挙げられます。主な症状は、膀胱炎では頻尿、排尿時痛、残尿感、下腹部痛、混濁尿など。腎盂腎炎では、これらの症状に加え、発熱、悪寒、腰背部痛、全身倦怠感、吐き気、嘔吐などが現れます。検査には、尿検査(尿沈渣、尿定性、尿培養)、血液検査(炎症反応、腎機能)、画像診断(超音波検査、CT検査)などがあります。尿培養で起因菌を特定し、感受性試験で有効な抗菌薬を選択します。治療は、主に抗菌薬の内服または点滴投与です。症状が改善しても、医師の指示通りに最後まで抗菌薬を服用することが重要です。

看護のポイント

尿路感染症の看護では、症状の緩和、再発予防、合併症の早期発見が重要です。観察項目としては、排尿パターン(頻度、量、色、混濁の有無)、排尿時痛の有無と程度、残尿感、下腹部痛、腰背部痛、発熱、悪寒、全身倦怠感、悪心・嘔吐の有無と程度を継続的に観察します。特に腎盂腎炎では、発熱や悪寒戦慄の有無、バイタルサインの変動に注意が必要です。ケアの実際としては、十分な水分摂取を促し、尿量を確保して細菌を洗い流すことを支援します。排尿を我慢しないよう促し、清潔な排泄習慣の確立を指導します。温罨法などで下腹部や腰部の不快感を軽減することもあります。患者教育では、水分摂取の重要性、適切な排泄習慣(排便後に前から後ろへ拭く、性行為後の排尿)、抗菌薬の正しい服用方法、症状が改善しても自己判断で中断しないこと、再発時の受診の目安などを指導します。また、基礎疾患がある場合は、その管理の重要性も伝えます。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まずバイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数)を確認し、発熱や頻脈の有無を評価します。腹部を視診・聴診・触診し、下腹部の圧痛(膀胱炎)、叩打痛(腎盂腎炎)の有無を確認します。特に腎盂腎炎では、肋骨脊柱角(CVA)の叩打痛の有無が重要です。排尿状態については、排尿回数、尿量、尿の色調、混濁の有無、臭気、排尿時痛の程度、残尿感の有無を詳細に聴取します。検査データでは、尿検査結果(尿定性:白血球、亜硝酸塩、潜血の有無、尿沈渣:白血球数、細菌数)、尿培養結果(起因菌、菌数、薬剤感受性)、血液検査結果(白血球数、CRPなどの炎症反応、BUN、クレアチニンなどの腎機能)を確認します。これらの情報を総合的に判断し、感染の程度、部位、全身状態、腎機能への影響を評価します。

関連する看護診断

1. 感染リスク状態:尿路系への細菌侵入と増殖による。2. 急性疼痛:炎症による膀胱刺激や腎被膜の伸展に関連する。3. 知識不足:疾患、治療、自己管理に関する情報不足に関連する。4. 排尿障害:膀胱刺激や炎症による頻尿、排尿時痛、残尿感に関連する。

看護計画の要約

OP:発熱、悪寒、腰背部痛、排尿時痛、頻尿、残尿感、下腹部痛の有無と程度。尿量、尿の色調、混濁、臭気。バイタルサイン。血液検査データ(白血球、CRP、腎機能)。尿検査データ(尿定性、尿沈渣、尿培養)。水分摂取量、排泄状況。TP:医師の指示に基づき抗菌薬を正確に投与し、副作用の有無を観察する。十分な水分摂取を促し、尿量を確保する。排尿を我慢しないよう促す。温罨法などで疼痛や不快感を緩和する。安静を保ち、休息を促す。必要に応じて、清潔な排泄ケアを支援する。EP:疾患、治療、薬剤に関する情報を提供し、理解度を確認する。水分摂取の重要性、適切な排泄習慣(排便後の拭き方、性行為後の排尿)を指導する。抗菌薬は症状が改善しても自己判断で中断せず、最後まで服用するよう指導する。再発時の症状や受診の目安を説明する。基礎疾患がある場合は、その管理の重要性を指導する。