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🫁呼吸器

肺炎

はいえん

肺の実質に炎症が起こる感染症

肺炎看護感染症呼吸管理

疾患の概要

肺炎は、肺の実質(肺胞や間質)に炎症が生じる疾患です。病態生理としては、細菌やウイルスなどの病原体が気道から肺に侵入し、肺胞内で増殖することで炎症反応が引き起こされます。これにより、肺胞内に滲出液や白血球が貯留し、ガス交換が阻害され、呼吸機能が低下します。主な原因は、肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌、インフルエンザウイルス、RSウイルスなどのウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどの非定型病原体です。誤嚥による化学性肺炎や、真菌感染による肺炎もあります。主な症状は、発熱、咳、痰(膿性痰や血性痰)、呼吸困難、胸痛、倦怠感などです。重症化すると、意識障害や敗血症性ショックに至ることもあります。検査には、胸部X線検査やCT検査による画像診断、血液検査(白血球数、CRP、プロカルシトニンなど炎症反応の確認)、喀痰培養検査や抗原検査による病原体の特定、動脈血ガス分析による呼吸状態の評価などがあります。治療は、原因菌に応じた抗菌薬や抗ウイルス薬の投与が中心となります。対症療法として、解熱鎮痛剤、去痰薬、鎮咳薬などが用いられます。呼吸不全がある場合は、酸素療法や人工呼吸器管理が必要となることもあります。安静、十分な水分補給、栄養管理も重要です。

看護のポイント

肺炎患者の看護では、呼吸状態の観察と管理が最も重要です。バイタルサイン(特に呼吸数、SpO2、体温)を頻回に測定し、呼吸困難の有無、呼吸様式、チアノーゼの有無などを確認します。酸素療法を受けている場合は、指示された流量と酸素供給デバイスが適切か確認し、SpO2をモニタリングします。また、喀痰の性状(量、色、粘稠度)を観察し、喀痰喀出を促すために体位ドレナージやスクイージング、吸引などを行います。十分な水分補給は、痰の粘稠度を下げ、喀出を容易にするために不可欠です。発熱時には、クーリングや解熱剤の投与を行い、患者の安楽を図ります。食事摂取が困難な場合は、栄養状態の評価と管理を行い、必要に応じて栄養補助食品や経管栄養を検討します。患者教育としては、深呼吸や咳の励行、手洗いなどの感染予防策、服薬指導、退院後の生活指導(禁煙、規則正しい生活、予防接種の推奨)を行います。特に高齢者や免疫力の低下した患者では、重症化しやすいため、より注意深い観察とケアが必要です。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まず呼吸器系の観察が中心となります。視診で呼吸数、呼吸様式(努力呼吸、陥没呼吸、鼻翼呼吸など)、チアノーゼの有無、胸郭の動きの左右差を確認します。触診で胸郭の圧痛や振動覚の亢進・減弱を評価します。打診では、炎症部位の濁音を聴取することがあります。聴診では、呼吸音の減弱、水泡音、捻髪音、ロンキー音などの異常呼吸音の有無と部位を特定します。心音、腸音も聴取し、全身状態を把握します。循環器系では、心拍数、血圧、末梢循環(皮膚の色、温かさ、毛細血管再充満時間)を評価します。意識レベルや全身倦怠感の有無も確認します。検査データでは、白血球数やCRP、プロカルシトニンなどの炎症マーカーの推移を追います。動脈血ガス分析では、PaO2、PaCO2、pH、HCO3-などの値を評価し、呼吸不全の程度やアシドーシス・アルカローシスの有無を確認します。胸部X線やCT画像では、浸潤影やコンソリデーションの部位、広がり、経時的変化を確認します。喀痰培養検査の結果は、適切な抗菌薬選択のために重要です。

関連する看護診断

1. ガス交換障害: 肺胞における換気血流比不均衡および炎症性滲出液貯留に関連した。2. 非効果的気道浄化: 喀痰の増加と粘稠度亢進、咳反射の低下に関連した。3. 体温上昇: 感染過程と炎症反応に関連した。4. 栄養摂取量不足: 食欲不振、呼吸困難、全身倦怠感に関連した。5. 感染リスク: 免疫機能の低下、侵襲的処置、不適切な衛生習慣に関連した。

看護計画の要約

【OP(観察計画)】バイタルサイン(呼吸数、SpO2、体温、脈拍、血圧)の経時的変化、呼吸困難の有無と程度、呼吸様式、異常呼吸音の有無と部位、チアノーゼの有無、喀痰の性状と量、意識レベル、胸痛の有無と程度、食事摂取量、水分出納、検査データ(血液検査、動脈血ガス分析、胸部X線)の推移を観察する。【TP(援助計画)】安楽な体位の保持、酸素療法の管理(流量、デバイスの確認、SpO2モニタリング)、加湿器の使用、体位ドレナージやスクイージング、必要に応じた吸引、十分な水分補給の促進、解熱剤の投与とクーリング、医師の指示に基づく薬剤(抗菌薬、去痰薬など)の正確な投与、栄養状態の評価と栄養補助食品の検討、口腔ケアの実施、安静の保持とADL援助を行う。【EP(教育計画)】深呼吸や咳の励行、手洗い・うがいなどの感染予防策、服薬の必要性と方法、水分補給の重要性、栄養バランスの取れた食事、禁煙の重要性、退院後の生活指導(規則正しい生活、予防接種の推奨)について説明し、理解度を確認する。