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🫃消化器

膵炎

すいえん

膵臓の炎症で、急性と慢性がある

膵炎看護腹痛絶食管理

疾患の概要

膵炎は、膵臓が自己消化酵素によって炎症を起こす疾患です。急性膵炎と慢性膵炎に大別されます。急性膵炎は、胆石やアルコールが主な原因で、膵液の排出障害や膵酵素の活性化が起こり、膵臓自体が消化されて炎症が急速に進行します。重症化すると多臓器不全に至ることもあります。慢性膵炎は、アルコールの長期的な摂取が原因の多くを占め、膵臓の線維化や萎縮が進行し、膵機能が不可逆的に低下します。主な症状は、上腹部から背部への放散痛、悪心、嘔吐、発熱、腹部膨満感などです。慢性膵炎では、脂肪便や体重減少、糖尿病を合併することもあります。診断には、血液検査(アミラーゼ、リパーゼ、CRP、白血球数、肝機能、腎機能、血糖値など)、尿検査、画像検査(腹部超音波、CT、MRI、MRCP、ERCPなど)が用いられます。治療は、急性期には絶食、輸液、鎮痛剤投与、蛋白分解酵素阻害剤の投与が行われます。重症例では、人工呼吸器管理や血液浄化療法が必要となることもあります。慢性膵炎では、食事療法(低脂肪食)、膵酵素補充療法、鎮痛剤、血糖コントロールが中心となります。原因が胆石の場合は内視鏡的治療や外科的治療が検討されます。

看護のポイント

急性膵炎では、激しい腹痛の緩和が最優先課題です。医師の指示に基づき鎮痛剤を適切に投与し、効果を評価します。絶食中は、脱水予防と栄養管理のため、医師の指示による輸液を確実に実施します。輸液量や電解質バランスに注意し、尿量やバイタルサインを頻回に観察します。悪心・嘔吐に対しては制吐剤の投与や、安楽な体位の調整を行います。安静を保ち、精神的苦痛の軽減に努めます。慢性膵炎の患者さんには、食事療法(低脂肪食、少量頻回食)の指導が重要です。膵酵素補充療法の正しい服用方法(食直前)や、自己血糖測定とインスリン注射の指導も必要となる場合があります。アルコールが原因の場合は、禁酒の必要性を理解してもらい、必要に応じてサポート体制を紹介します。患者さんや家族には、疾患の病態、治療の必要性、合併症の徴候(黄疸、糖尿病症状など)について分かりやすく説明し、セルフケア能力の向上を促します。退院後も継続的なフォローアップの重要性を伝えます。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まずバイタルサイン(体温、脈拍、呼吸数、血圧)を測定し、ショック徴候の有無を確認します。腹部の視診で膨隆の有無、聴診で腸蠕動音の異常、触診で圧痛(特に心窩部から左季肋部)、筋性防御、反跳痛の有無を確認します。皮膚・粘膜の観察で黄疸、チアノーゼ、脱水徴候(皮膚の乾燥、ツルゴール反応の低下)の有無を評価します。呼吸状態(呼吸回数、深さ、努力呼吸の有無)や意識レベルも重要です。検査データでは、血清アミラーゼ、リパーゼの上昇を確認します。炎症反応を示すCRP、白血球数、発熱の有無も重要です。肝機能(AST、ALT、ALP、γ-GTP、ビリルビン)、腎機能(BUN、Cr)、電解質(Na、K、Cl、Ca)、血糖値、血中ガス分析の結果も総合的に評価します。特に急性膵炎では、低カルシウム血症に注意が必要です。画像検査(CT、MRI)の結果から、膵臓の炎症の程度、壊死の有無、膵周囲の液体貯留、胆石の有無などを確認します。

関連する看護診断

1. 急性疼痛: 膵臓の炎症と自己消化酵素の作用に関連する。 2. 栄養摂取量不足: 絶食、悪心、嘔吐、消化吸収障害に関連する。 3. 体液量減少のリスク: 嘔吐、発熱、絶食、サードスペースへの体液移動に関連する。 4. 疾患管理の非効果的自己健康管理: 疾患の知識不足、治療の複雑性、ライフスタイルの変更に関連する。 5. 不安: 激しい痛み、病状の重症度、予後への懸念に関連する。

看護計画の要約

OP: 疼痛の部位・性質・強度・持続時間、鎮痛剤の効果、バイタルサイン、腹部症状(膨満感、圧痛、筋性防御)、悪心・嘔吐の有無と程度、排便状況、尿量、皮膚・粘膜の状態、検査データ(アミラーゼ、リパーゼ、CRP、白血球、電解質、血糖値)、食事摂取状況、患者の疾患理解度、不安の程度を観察する。 TP: 医師の指示に基づき鎮痛剤を適切に投与し、効果を評価する。絶食中は輸液を確実に実施し、輸液量・速度を管理する。安楽な体位を調整し、安静を保つよう援助する。口腔ケアを定期的に実施する。悪心・嘔吐時には制吐剤の投与や環境調整を行う。食事開始後は、医師の指示に基づき低脂肪食・少量頻回食を提供する。慢性膵炎患者には、食事療法や膵酵素補充療法、血糖コントロールの指導を行う。アルコール摂取が原因の場合、禁酒の必要性を説明し、禁酒を支援する。 EP: 疼痛コントロールの重要性を説明し、症状悪化時の対処法を指導する。食事療法の必要性と具体的な内容(低脂肪食、少量頻回食)を説明する。膵酵素補充療法やインスリン注射が必要な場合は、正しい使用方法を指導する。合併症(糖尿病、黄疸など)の徴候について説明し、早期受診を促す。禁酒の重要性を説明し、必要に応じて医療機関や自助グループを紹介する。