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🫃消化器

膵臓がん

すいぞうがん

膵臓に発生する悪性腫瘍で、予後が厳しい

膵臓がん看護黄疸化学療法

疾患の概要

膵臓がんは、膵臓に発生する悪性腫瘍で、特に膵管上皮から発生する膵管腺がんが9割を占めます。膵臓は消化酵素やホルモン(インスリンなど)を分泌する重要な臓器であり、がんはこれらの機能に影響を及ぼします。病態生理としては、がん細胞の増殖により膵管が閉塞し、消化液の流れが阻害されたり、インスリン分泌が低下したりします。また、周囲臓器への浸潤や転移も早期から見られることが多く、予後が悪い疾患として知られています。主な原因は特定されていませんが、喫煙、過度の飲酒、慢性膵炎、糖尿病、肥満、家族歴などがリスク因子とされています。初期には自覚症状がほとんどなく、進行すると腹痛(特に上腹部から背部への放散痛)、黄疸(がんが胆管を圧迫する場合)、体重減少、食欲不振、倦怠感、糖尿病の新規発症や悪化などが現れます。検査には、血液検査(腫瘍マーカーCA19-9、アミラーゼ、リパーゼ、肝機能、血糖値など)、画像検査(超音波検査、CT、MRI、MRCP、ERCP)、EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診)などがあります。治療は、がんの進行度や患者の状態によって異なり、外科手術(膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術など)、化学療法、放射線療法、緩和ケアが中心となります。特に外科手術は根治を目指せる唯一の治療ですが、手術適応となる患者は限られています。

看護のポイント

膵臓がんの看護では、患者の身体的苦痛の緩和と精神的サポートが重要です。観察項目としては、疼痛の部位・性質・強度、黄疸の有無・程度、皮膚掻痒感、便の色(白色便は胆汁うっ滞を示唆)、尿量・色、血糖値、食欲、体重、全身倦怠感、悪心・嘔吐、腹部膨満感、消化酵素補充薬の効果、化学療法や放射線療法の副作用(骨髄抑制、消化器症状、皮膚炎など)を注意深く観察します。ケアの実際としては、疼痛コントロール(鎮痛剤の適切な使用と効果評価)、黄疸による掻痒感への対応(保湿、抗ヒスタミン剤、清拭)、栄養状態の維持(少量頻回食、高カロリー輸液、消化酵素補充薬の指導)、血糖コントロール、清潔ケア、口腔ケア、安静と活動のバランス、転倒予防などが挙げられます。また、予後不良の疾患であるため、患者や家族の精神的苦痛が大きく、傾聴と共感、情報提供、精神科リエゾンや緩和ケアチームとの連携が不可欠です。患者教育では、疾患の進行状況と治療方針、疼痛管理の方法、食事療法(消化の良いもの、低脂肪食)、消化酵素補充薬の正しい服用方法、インスリン自己注射の指導(糖尿病合併時)、化学療法や放射線療法の副作用とその対処法、日常生活での注意点、緩和ケアの選択肢などについて、理解度に合わせて分かりやすく説明し、不安の軽減に努めます。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まず全身状態を把握します。顔色、皮膚・眼球結膜の黄染の有無、浮腫の有無、意識レベルを確認します。腹部診察では、視診で腹部膨隆の有無、聴診で腸蠕動音の異常、触診で圧痛部位(特に心窩部、右季肋部)、筋性防御、腫瘤の有無、肝脾腫の有無を評価します。背部痛を訴える場合は、背部の叩打痛や圧痛も確認します。バイタルサイン(体温、脈拍、呼吸、血圧)の変動にも注意します。検査データでは、腫瘍マーカー(CA19-9)の値とその推移、肝機能(AST, ALT, ALP, γ-GTP, 総ビリルビン, 直接ビリルビン)の異常、膵酵素(アミラーゼ, リパーゼ)の上昇、血糖値の変動、貧血の有無(Hb, Hct)、炎症反応(CRP, 白血球数)などを確認します。また、電解質バランス、腎機能(BUN, Cr)も重要です。画像検査(CT, MRIなど)の結果から、がんの大きさ、浸潤範囲、リンパ節転移、遠隔転移の有無を把握し、治療方針の決定に役立てます。

関連する看護診断

1. 慢性疼痛: 膵臓がんによる神経浸潤や膵管閉塞、消化液の貯留に関連した腹部・背部痛。2. 栄養摂取量不足: 悪心、嘔吐、食欲不振、消化吸収障害、疼痛に関連した栄養状態の悪化。3. 身体イメージの混乱: 黄疸、体重減少、脱毛(化学療法による)、手術痕に関連した自己認識の変化。4. 不安: 疾患の予後、治療の副作用、疼痛、経済的負担、死への恐怖に関連した精神的苦痛。5. 知識不足: 疾患の進行、治療の選択肢、副作用の管理、セルフケアに関する情報不足。

看護計画の要約

OP: 疼痛の部位・性質・強度、黄疸の有無・程度、皮膚掻痒感、食欲、体重、悪心・嘔吐の有無、便の色・性状、血糖値、バイタルサイン、化学療法・放射線療法の副作用、患者・家族の不安や理解度を観察する。TP: 医師の指示に基づき鎮痛剤を適切に投与し効果を評価する。黄疸による掻痒感に対し清拭や保湿、抗ヒスタミン剤投与を行う。消化酵素補充薬の適切な服用を促す。栄養状態維持のため、少量頻回食の提案、必要に応じて高カロリー輸液管理を行う。血糖値の変動に合わせたインスリン投与管理を行う。清潔ケア、口腔ケアを実施する。化学療法・放射線療法の副作用対策を行う。患者・家族の精神的苦痛に対し傾聴し、精神的サポートを提供する。EP: 疼痛管理の方法(鎮痛剤の種類、副作用、自己調節の可否)を指導する。食事療法(消化の良いもの、低脂肪食、少量頻回食)について指導する。消化酵素補充薬、インスリン自己注射の正しい使用方法を指導する。化学療法・放射線療法の副作用とその対処法について説明する。緩和ケアの選択肢について情報提供し、必要に応じて専門チームとの連携を促す。日常生活での注意点やセルフケアについて指導する。