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🧠脳神経

髄膜炎

ずいまくえん

髄膜に炎症が起こる感染症で、頭痛・発熱・項部硬直が特徴

髄膜炎看護感染症抗菌薬

疾患の概要

髄膜炎は、脳と脊髄を覆う髄膜に炎症が生じる疾患です。病態生理としては、細菌やウイルスが血液脳関門を突破し、髄液腔に侵入して炎症を引き起こすことで、頭蓋内圧亢進、脳浮腫、脳血管の透過性亢進などが生じます。原因は多岐にわたり、細菌性(肺炎球菌、髄膜炎菌、インフルエンザ菌など)とウイルス性(エンテロウイルス、ヘルペスウイルスなど)が主なものです。細菌性は重症化しやすく、迅速な治療が必要です。主な症状は、発熱、頭痛、悪心・嘔吐、項部硬直(首の後ろが硬くなる)、羞明(光をまぶしく感じる)、意識障害、痙攣などです。乳幼児では不機嫌、哺乳不良、大泉門膨隆が見られることもあります。検査は、腰椎穿刺による髄液検査(細胞数、蛋白、糖、細菌培養、ウイルスPCRなど)が確定診断に不可欠です。血液検査(炎症反応、電解質、血糖など)、頭部CT/MRI(脳浮腫、水頭症、膿瘍の有無確認)も行われます。治療は、細菌性であれば抗菌薬の点滴静注が中心となり、早期開始が重要です。ウイルス性であれば対症療法が主ですが、ヘルペスウイルス性などでは抗ウイルス薬が用いられます。重症例では、ステロイドによる脳浮腫の軽減、抗痙攣薬、輸液管理なども行われます。

看護のポイント

髄膜炎の看護では、まず全身状態の厳重な観察が不可欠です。意識レベルの変化(JCS、GCS)、バイタルサイン(特に発熱、呼吸状態)、頭痛や悪心・嘔吐の有無と程度、項部硬直やケルニッヒ徴候・ブルジンスキー徴候などの髄膜刺激症状の有無を継続的に評価します。痙攣発作の有無とその特徴(持続時間、部位、意識レベル)も重要です。発熱に対しては、解熱剤の使用、クーリング、環境調整を行い、脱水予防のために適切な水分補給を促します。悪心・嘔吐がある場合は、誤嚥に注意し、必要に応じて制吐剤を使用します。羞明がある場合は、室内の照明を暗くし、静かで落ち着いた環境を提供します。安静を保ち、頭蓋内圧亢進を避けるため、急な体位変換を避けるよう指導します。患者教育としては、疾患の経過や治療の必要性、合併症のリスクについて説明し、不安の軽減に努めます。感染予防のため、手洗いの励行や、必要に応じて飛沫感染対策(マスク着用など)を指導します。退院後も、合併症(難聴、神経学的後遺症など)の早期発見のため、症状の変化に注意するよう伝えます。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まず意識レベルの評価(JCS、GCS)を定期的に行い、わずかな変化も見逃さないようにします。バイタルサインでは、発熱の有無と程度、呼吸パターン(異常呼吸の有無)、脈拍、血圧を測定します。神経学的所見として、瞳孔の大きさ、対光反射、眼球運動、麻痺の有無、深部腱反射などを確認します。髄膜刺激症状の評価は重要で、項部硬直、ケルニッヒ徴候(仰臥位で股関節と膝関節を90度屈曲させ、膝関節を伸展させると抵抗と疼痛がある)、ブルジンスキー徴候(仰臥位で頸部を他動的に屈曲させると股関節と膝関節が屈曲する)の有無を観察します。皮膚の観察では、髄膜炎菌性髄膜炎でみられる点状出血や紫斑の有無を確認します。検査データでは、髄液検査の結果(細胞数、蛋白、糖、グラム染色、培養、PCR)を把握し、細菌性かウイルス性かの鑑別、原因菌の特定に役立てます。血液検査では、CRP、白血球数、プロカルシトニンなどの炎症マーカー、電解質、血糖値、肝機能・腎機能などを確認します。頭部CT/MRI画像では、脳浮腫、水頭症、脳膿瘍の有無、脳実質病変の有無を確認し、頭蓋内圧亢進の徴候がないか評価します。

関連する看護診断

1. 高体温:感染過程および髄膜の炎症による体温調節機能の障害に関連した 2. 疼痛(急性):髄膜の炎症と頭蓋内圧亢進に関連した頭痛、項部硬直 3. 意識レベルの変化リスク:脳浮腫、頭蓋内圧亢進、痙攣に関連した 4. 感染伝播のリスク:病原体への曝露、感染源の存在、免疫力の低下に関連した 5. 不安:疾患の診断、予後、治療過程、身体症状に関連した

看護計画の要約

OP: 意識レベル(JCS/GCS)、バイタルサイン(体温、脈拍、呼吸、血圧)、髄膜刺激症状(項部硬直、ケルニッヒ、ブルジンスキー)、頭痛・悪心・嘔吐の有無と程度、痙攣の有無と特徴、瞳孔所見、皮膚症状(点状出血など)、尿量、検査データ(髄液、血液、画像)を観察する。 TP: 医師の指示に基づき抗菌薬や抗ウイルス薬、解熱剤、制吐剤、抗痙攣薬を適切に投与する。発熱時はクーリングや環境調整を行う。頭痛や羞明がある場合は、静かで暗い環境を提供する。体位変換時は頭蓋内圧亢進を避けるようゆっくり行う。経口摂取が困難な場合は、輸液管理を行う。感染予防策(手洗い、必要に応じてマスク)を徹底する。 EP: 患者・家族に疾患の概要、治療の必要性、予想される経過、合併症のリスクについて説明し、不安の軽減を図る。薬物療法や安静の重要性について指導する。退院後の症状変化(頭痛の悪化、発熱、神経学的症状)に注意し、早期受診を促す。感染予防のための手洗いの重要性を指導する。