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🫘腎・泌尿器

尿路結石

にょうろけっせき

尿路に結石ができ激しい痛みを起こす疾患

尿路結石看護疝痛水分摂取

疾患の概要

尿路結石は、腎臓から尿道までの尿路に結石が形成される疾患です。結石の成分はシュウ酸カルシウムが最も多く、リン酸カルシウム、尿酸、ストラバイトなどがあります。病態生理としては、尿中のカルシウムやシュウ酸などの濃度が過剰になったり、尿量が減少したりすることで、これらの物質が結晶化し、結石が形成されます。結石が尿路を閉塞すると、尿の流れが妨げられ、腎盂や尿管が拡張し、激しい痛みを引き起こします。主な原因は、水分摂取不足、食生活(高シュウ酸食、高タンパク食、高塩分食)、遺伝的要因、代謝異常(高カルシウム尿症、高尿酸血症など)、特定の薬剤(利尿薬など)、尿路感染症(ストラバイト結石の場合)など多岐にわたります。主な症状は、突然発症する激しい側腹部痛(仙痛)、血尿、吐き気、嘔吐、発熱(感染を伴う場合)、頻尿、残尿感などです。結石が移動すると痛みの部位も変化することがあります。検査には、尿検査(血尿、結晶の有無、感染の有無)、血液検査(腎機能、電解質、尿酸値など)、画像診断(X線、超音波検査、CTスキャン)が用いられ、結石の位置、大きさ、数、尿路の閉塞の有無を確認します。治療は、結石の大きさや位置、症状の程度によって異なります。小さな結石は自然排出を促すために水分摂取を増やし、鎮痛剤を使用します。自然排出が困難な場合や、結石が大きい場合は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経尿道的尿管結石砕石術(TUL)、経皮的腎結石砕石術(PNL)などの外科的治療が選択されます。

看護のポイント

尿路結石の看護では、まず激しい疼痛の緩和が最優先です。鎮痛剤の効果を評価し、患者の苦痛を軽減します。同時に、結石の自然排出を促すため、十分な水分摂取を指導し、尿量の確保に努めます。排尿時の状態(痛み、血尿、結石の排出の有無)を観察し、排泄された結石は成分分析のために回収します。感染兆候(発熱、悪寒、排尿時痛など)の有無を注意深く観察し、感染が疑われる場合は医師に報告します。治療前後の患者の不安を傾聴し、疾患や治療に関する情報を提供することで、精神的なサポートも重要です。患者教育では、再発予防のための生活習慣指導が中心となります。具体的には、1日2リットル以上の水分摂取、バランスの取れた食事(シュウ酸を多く含む食品の制限、塩分・動物性タンパク質の過剰摂取を避ける)、適度な運動、定期的な健康診断の重要性を説明します。また、症状が悪化した際の対処法や、受診の目安についても指導し、患者自身がセルフケアできるよう支援します。

アセスメントのポイント

尿路結石のアセスメントでは、まず主訴である疼痛の性状(部位、放散、強さ、持続時間、増悪・寛解因子)を詳細に聴取します。フィジカルアセスメントでは、バイタルサイン(特に発熱の有無)、腹部(側腹部、下腹部)の視診・触診・打診(叩打痛の有無)、尿路系の視診(血尿の有無)を行います。膀胱の膨満感や腎臓部の叩打痛は、尿路閉塞や水腎症を示唆する可能性があります。検査データでは、尿検査で血尿、膿尿、結晶の有無、尿pH、尿比重を確認します。血液検査では、腎機能(BUN、Cr)、炎症反応(CRP、WBC)、電解質、尿酸値、カルシウム値を評価します。画像診断(X線、超音波、CT)の結果から、結石の大きさ、位置、数、尿路の閉塞の程度、水腎症の有無を確認し、治療方針の決定に役立てます。これらの情報を統合し、患者の現在の状態と潜在的なリスクを把握します。

関連する看護診断

1. 急性疼痛:尿路結石による尿路閉塞と痙攣に関連した、仙痛、悪心、嘔吐を伴う激しい疼痛。2. 感染リスク:尿路閉塞、結石による尿路粘膜損傷、または侵襲的処置に関連した尿路感染のリスク。3. 知識不足:疾患の病態、治療、再発予防のための生活習慣、セルフケアに関する知識不足。4. 不安:診断、治療、疼痛、再発の可能性、予後に関連した不安。5. 体液量不足のリスク:悪心、嘔吐、発熱、水分摂取不足に関連した体液量不足のリスク。

看護計画の要約

【OP(観察計画)】疼痛の部位、性状、強さ、持続時間の観察と評価(NRS)、鎮痛剤の効果と副作用の観察。バイタルサイン(特に体温、血圧、脈拍)の観察。尿量、尿の性状(色、混濁、血尿の有無、沈殿物)の観察。排泄された結石の有無と回収。悪心、嘔吐の有無と程度。発熱、悪寒、排尿時痛などの感染兆候の有無。画像検査、尿検査、血液検査データ(腎機能、炎症反応、電解質など)の確認。患者の不安の程度と表現の観察。【TP(治療計画)】医師の指示に基づいた鎮痛剤の確実な投与と効果の評価。十分な水分摂取の促しと指導(経口摂取が困難な場合は点滴管理)。自然排出促進のための活動の支援。体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や内視鏡手術前後の看護(術前準備、術後合併症の観察、疼痛管理)。感染予防のための清潔ケア、必要に応じて抗生剤の投与管理。結石排出後の結石回収と提出。【EP(教育計画)】疾患の病態、治療、予後に関する説明。疼痛緩和方法と鎮痛剤の正しい使用方法の説明。再発予防のための生活習慣指導(水分摂取量、食事内容、運動、定期受診の重要性)。排泄された結石の回収方法と提出の重要性の説明。感染兆候や症状悪化時の対処法と受診の目安の指導。不安軽減のための精神的サポートと情報提供。