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🦠感染症

インフルエンザ

いんふるえんざ

インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症

インフルエンザ看護予防接種抗ウイルス薬

疾患の概要

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。ウイルスは主にA型、B型、C型があり、A型とB型が季節性インフルエンザとして流行します。ウイルスは飛沫感染や接触感染によって人から人へと伝播し、鼻や喉の粘膜から侵入して細胞内で増殖します。潜伏期間は1〜4日程度です。主な症状は、突然の高熱(38℃以上)、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状と、鼻水、咳、喉の痛みなどの呼吸器症状です。小児では嘔吐や下痢を伴うこともあります。合併症として、肺炎(細菌性、ウイルス性)、気管支炎、脳炎・脳症、心筋炎などがあり、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者では重症化しやすい傾向があります。診断は、問診、身体所見に加え、迅速抗原検査キットによる鼻腔・咽頭ぬぐい液の検査が一般的です。確定診断にはPCR検査が用いられることもあります。治療は、抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビルなど)の投与が中心となります。発症後48時間以内の投与が効果的とされています。対症療法として、解熱鎮痛剤や鎮咳薬、去痰薬などが用いられます。安静、十分な水分補給、栄養摂取も重要です。

看護のポイント

インフルエンザ患者の看護では、まず感染拡大の防止が最重要です。手指衛生の徹底、マスクの着用、個室管理、使用物品の消毒など、標準予防策と飛沫感染予防策を厳守します。症状の緩和と合併症の予防も重要な看護目標です。発熱に対しては、クーリングや解熱鎮痛剤の適切な使用により体温管理を行います。脱水予防のため、経口摂取が困難な場合は点滴による水分補給を検討し、経口摂取可能な場合はOS-1などの電解質飲料を促します。呼吸状態の悪化(呼吸困難、チアノーゼなど)に注意し、必要に応じて酸素投与や体位ドレナージを行います。合併症の早期発見のため、意識レベルの変化、けいれん、胸痛、呼吸音の変化などを継続的に観察します。患者教育としては、安静の必要性、水分・栄養摂取の重要性、咳エチケット、手洗いの励行、家族への感染予防策(マスク着用、手洗い、換気など)を指導します。抗ウイルス薬の適切な服用方法と副作用についても説明し、症状が改善しても自己判断で中断しないよう指導します。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、バイタルサイン(体温、脈拍、呼吸数、血圧、SpO2)の継続的な測定が重要です。特に高熱による脱水や呼吸状態の変化に注意します。呼吸器系では、呼吸音の聴取(ラ音、喘鳴の有無)、呼吸様式(努力性呼吸、多呼吸)、痰の性状と量、咳の有無と程度を評価します。循環器系では、脈拍の速さやリズム、血圧、皮膚色、冷汗の有無を確認します。神経系では、意識レベル(JCS, GCS)、頭痛の程度、けいれんの有無、項部硬直の有無を観察し、脳炎・脳症の徴候に注意します。消化器系では、悪心・嘔吐、下痢の有無と程度、食欲不振、水分摂取量を評価し、脱水の兆候(皮膚の乾燥、眼球の陥没、尿量減少)を確認します。検査データでは、炎症反応(CRP, 白血球数)、腎機能(BUN, Cr)、肝機能(AST, ALT)、電解質(Na, K, Cl)などを確認し、全身状態や合併症の有無を把握します。胸部X線検査やCT検査で肺炎の有無を確認することもあります。

関連する看護診断

1. 体温調節障害:高熱に関連する脱水および全身倦怠感の可能性 2. 非効果的気道浄化:気道分泌物増加および咳に関連する呼吸困難 3. 感染伝播のリスク:インフルエンザウイルスによる飛沫感染・接触感染に関連する感染拡大の可能性 4. 栄養摂取量不足:発熱、悪心、食欲不振に関連する栄養状態の悪化 5. 不安:疾患の症状、合併症、予後に関連する不安

看護計画の要約

OP: バイタルサイン(体温、脈拍、呼吸数、SpO2)を2〜4時間ごとに測定し、高熱や呼吸状態の変化を早期に把握する。呼吸音、咳、痰の性状・量を観察し、呼吸器合併症の兆候をモニタリングする。意識レベル、頭痛、けいれんの有無を観察し、脳炎・脳症の早期発見に努める。水分摂取量、尿量、皮膚・粘膜の乾燥状態を観察し、脱水の有無を評価する。検査データ(CRP, 白血球数, 電解質など)を定期的に確認する。TP: 医師の指示に基づき抗インフルエンザウイルス薬を正確に投与する。発熱に対しては、クーリングや解熱鎮痛剤の投与、衣類の調整を行い体温管理を行う。脱水予防のため、経口摂取可能な場合はOS-1などの電解質飲料を促し、困難な場合は医師の指示に基づき輸液管理を行う。呼吸困難がある場合は、酸素投与や体位ドレナージを実施し、安楽な体位を整える。安静を保ち、十分な睡眠がとれるよう環境を調整する。感染拡大防止のため、手指衛生、マスク着用、使用物品の消毒を徹底する。EP: 患者と家族に対し、疾患の概要、症状、治療の必要性について説明する。安静の重要性、十分な水分・栄養摂取の必要性を指導する。咳エチケット、手洗い、マスク着用など感染予防策を指導する。抗ウイルス薬の正しい服用方法、副作用、自己判断での中断禁止について説明する。合併症の症状(呼吸困難、意識障害、胸痛など)が出現した場合の対応について指導する。