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🦴整形外科

大腿骨頸部骨折

だいたいこつけいぶこっせつ

高齢者の転倒で多い骨折で、手術とリハビリが重要

大腿骨頸部骨折看護手術リハビリ

疾患の概要

大腿骨頸部骨折は、大腿骨の股関節に近い頸部で発生する骨折です。高齢者に多く、特に骨粗鬆症を基礎疾患に持つ方に頻繁に見られます。病態生理としては、転倒などの外力により骨の連続性が断たれることで生じます。大腿骨頸部は血流が乏しいため、骨癒合が遅延したり、偽関節や大腿骨頭壊死といった合併症のリスクが高いのが特徴です。主な原因は、高齢者の転倒(特に自宅内での転倒)であり、骨粗鬆症による骨密度の低下が骨折のしやすさを高めます。若年者では高エネルギー外傷(交通事故など)で発生することもあります。主な症状は、受傷直後からの股関節部や鼠径部の激しい痛み、患肢の短縮、外旋変形、腫脹、皮下出血です。疼痛により起立や歩行が不可能になります。検査としては、X線撮影が診断の基本となりますが、不全骨折や骨頭壊死の早期診断にはMRIやCTが有用です。治療は、骨折の型や転位の程度、患者の全身状態によって異なりますが、手術療法が原則です。観血的整復内固定術(スクリューやプレートで骨折部を固定)や、人工骨頭置換術(骨折した骨頭を切除し人工物に置き換える)が選択されます。手術後は早期離床とリハビリテーションが重要となります。

看護のポイント

大腿骨頸部骨折の看護のポイントは、術前・術後の疼痛管理、合併症予防、早期離床の支援、そして退院後の生活を見据えたリハビリテーションへの関わりです。観察項目としては、疼痛の程度と性状、患肢の循環状態(皮膚の色調、温感、浮腫、チアノーゼ、末梢動脈の触知)、神経学的異常(しびれ、運動麻痺)、全身状態(バイタルサイン、意識レベル、ADL)、術後合併症の兆候(発熱、創部感染、深部静脈血栓症、肺塞栓症、肺炎、せん妄)を注意深く観察します。ケアの実際としては、疼痛コントロールのための鎮痛剤の効果判定と副作用の観察、体位変換時の患肢の保護とアライメント保持、深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキング着用やフットポンプ使用、早期離床に向けた体位変換やベッド上での運動援助、呼吸器合併症予防のための体位ドレナージや深呼吸・咳嗽の促しを行います。患者教育では、術後の安静度、リハビリテーションの重要性、合併症の予防策(特に深部静脈血栓症の症状や報告の必要性)、退院後の生活環境調整や転倒予防について、患者と家族へ具体的に説明し、理解を促します。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まず患肢の視診で、短縮、外旋変形、腫脹、皮下出血の有無を確認します。触診では、股関節部や鼠径部の圧痛の有無と程度、患肢の温感、末梢動脈の触知を行います。神経学的アセスメントとして、足趾の運動や感覚の有無を確認し、末梢神経障害の有無を評価します。全身状態の把握として、意識レベル、バイタルサイン(特に血圧変動や発熱の有無)、呼吸状態、皮膚の状態(褥瘡リスク)を評価します。検査データでは、X線撮影で骨折の部位、型、転位の程度を確認します。血液検査では、炎症反応(CRP, 白血球数)で感染の有無、貧血の有無(Hb値)、腎機能(BUN, Cr)や肝機能、電解質、凝固能(PT, APTT)などを確認し、手術適応や合併症リスクを評価します。骨粗鬆症の評価として骨密度検査(DEXA法)も重要です。

関連する看護診断

1. 急性疼痛: 骨折および手術による神経刺激と組織損傷に関連する。2. 活動耐性低下: 疼痛、筋力低下、安静臥床、手術侵襲に関連する。3. 転倒リスク: 筋力低下、歩行能力障害、視力低下、環境要因、薬剤の副作用に関連する。4. 身体可動性障害: 骨折、疼痛、手術侵襲、筋力低下に関連する。5. 感染リスク: 手術創、侵襲的処置、免疫能低下に関連する。

看護計画の要約

OP (観察計画): 疼痛の部位・程度・性状、患肢の循環・神経学的状態、バイタルサイン、創部状態、全身状態(意識レベル、ADL)、深部静脈血栓症・肺塞栓症・肺炎・せん妄などの合併症徴候、リハビリテーションの進捗状況を継続的に観察する。TP (援助計画): 疼痛コントロールのための鎮痛剤の適切な使用と効果評価、体位変換時の患肢の保護とアライメント保持、深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキング・フットポンプ使用、早期離床に向けた体位変換・ベッド上運動の援助、呼吸器合併症予防(深呼吸・咳嗽の促し)、ADL援助、清潔ケア、栄養管理を行う。EP (教育計画): 疼痛管理の重要性、術後の安静度とリハビリテーションの必要性、合併症の予防策(特に深部静脈血栓症の症状と報告の必要性)、退院後の生活環境調整と転倒予防策、服薬指導について、患者と家族に具体的に説明し、理解と実践を促す。必要に応じて社会資源の活用についても情報提供する。