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🦠感染症

新型コロナウイルス感染症

しんがたころなういるすかんせんしょう

SARS-CoV-2による感染症で、重症化すると肺炎を起こす

COVID-19看護感染対策ワクチン

疾患の概要

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる感染症です。主に飛沫感染や接触感染で人から人へ伝播し、空気感染の可能性も指摘されています。ウイルスは上気道から肺へ侵入し、ACE2受容体を介して細胞に感染します。感染細胞が増殖すると、免疫応答が活性化され、炎症性サイトカインの放出(サイトカインストーム)が起こり、重症化すると急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、多臓器不全、血栓症などを引き起こすことがあります。主な症状は、発熱、咳、倦怠感、味覚・嗅覚障害、頭痛、咽頭痛、関節痛、下痢など多岐にわたります。重症化すると呼吸困難、胸痛、意識障害などが出現します。診断は、PCR検査や抗原検査によるウイルスRNAまたは抗原の検出が主流です。治療は、対症療法が基本ですが、重症度に応じて抗ウイルス薬(レムデシビルなど)、ステロイド(デキサメタゾンなど)、抗体カクテル療法などが用いられます。酸素療法や人工呼吸器管理が必要となる場合もあります。ワクチン接種により重症化予防効果が期待されています。

看護のポイント

COVID-19の看護では、感染拡大防止が最重要です。標準予防策に加え、飛沫・接触感染対策を徹底し、必要に応じてN95マスク、ガウン、手袋、フェイスシールドなどの個人防護具(PPE)を適切に使用します。患者の呼吸状態、体温、SpO2、意識レベル、水分バランス、食事摂取状況などを継続的に観察し、異常の早期発見に努めます。呼吸困難感の強い患者には、安楽な体位の調整(セミファーラー位、腹臥位など)、酸素吸入の管理、呼吸介助を行います。発熱に対しては、クーリングや解熱剤の使用、十分な水分補給を促します。隔離による精神的苦痛を軽減するため、患者の訴えに耳を傾け、不安の傾聴や情報提供を行います。患者教育としては、手洗いの重要性、咳エチケット、マスク着用の励行、症状悪化時の連絡方法などを具体的に指導します。また、療養中の生活指導(十分な休息、栄養摂取、適度な運動)も行い、回復を支援します。退院後も症状が持続する「後遺症(Long COVID)」に配慮し、必要に応じて専門機関への受診を促すことも重要です。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まずバイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸数、SpO2)を頻回に測定し、特に呼吸数とSpO2の変動に注意します。呼吸音の聴取では、ラ音や水泡音の有無を確認し、呼吸困難感の有無や程度を主観的・客観的に評価します。皮膚の色調(チアノーゼの有無)、冷汗の有無、意識レベル(JCS, GCSなど)も重要な観察項目です。全身倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛、咽頭痛、味覚・嗅覚障害の有無や程度を問診します。消化器症状(食欲不振、悪心、嘔吐、下痢)の有無も確認し、水分摂取量と排泄量のバランスを把握します。検査データでは、炎症マーカー(CRP、フェリチン、Dダイマー)、肝機能・腎機能、電解質、白血球分画(リンパ球減少の有無)、凝固系データ(PT-INR, APTT)などを確認します。胸部X線やCT画像で肺炎の広がりや重症度を評価し、心電図で不整脈の有無も確認します。

関連する看護診断

1. ガス交換障害:肺胞毛細血管膜の変化と換気血流比不均衡に関連する呼吸困難、SpO2低下。2. 体液量減少のリスク:発熱、下痢、食欲不振による水分摂取不足と不感蒸泄増加に関連する。3. 感染伝播のリスク:病原体への曝露と感染経路の不十分な管理に関連する。4. 不安:疾患の予後、隔離、社会からの孤立に関連する。5. 活動耐性低下:全身倦怠感、呼吸困難、発熱によるエネルギー消費増加に関連する。

看護計画の要約

OP: 呼吸数、SpO2、呼吸様式、呼吸音、意識レベル、バイタルサイン、発熱の有無と程度、全身倦怠感、消化器症状、水分出納バランス、PPEの適切な使用状況、精神状態を継続的に観察する。検査データ(CRP, Dダイマー, リンパ球数など)や画像所見(胸部X線, CT)の変化を追う。TP: 酸素療法(流量・マスクの種類)の管理と効果判定。安楽な体位の調整(セミファーラー位、腹臥位)。呼吸介助。発熱に対するクーリング、解熱剤の使用。十分な水分補給の促進。感染予防策の徹底(手洗い、PPE着脱、環境整備)。精神的サポート、不安の傾聴。EP: 患者と家族に対し、疾患の病態、治療、症状管理、感染予防策(手洗い、マスク着用、咳エチケット)、療養中の注意点、症状悪化時の連絡方法について説明する。退院後の後遺症に関する情報提供と専門機関への受診指導。ワクチン接種の重要性を説明する。