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🧒小児科

小児気管支喘息

しょうにきかんしぜんそく

小児期に発症する気管支喘息で、アレルギーが関与

小児喘息看護吸入アレルギー

疾患の概要

小児気管支喘息は、気道の慢性的な炎症と過敏性によって、発作的に気道が狭くなり、呼吸困難、喘鳴、咳などの症状を繰り返す疾患です。病態生理としては、アレルギー反応やウイルス感染などを引き金に、気道粘膜の浮腫、気道平滑筋の収縮、気道内分泌物の増加が起こり、気道の狭窄が生じます。主な原因は、ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットのフケなどのアレルゲンへの曝露、ウイルス感染、受動喫煙、大気汚染、運動、気象変化などが挙げられます。症状は、夜間や早朝に悪化しやすい喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)、咳、呼吸困難、胸苦しさなどです。重症化するとチアノーゼや意識障害を伴うこともあります。診断は、問診による症状の確認、身体所見(喘鳴の聴取など)、肺機能検査(スパイロメトリー、乳幼児では呼気NO測定など)、アレルギー検査(血液検査、皮膚テスト)などによって総合的に行われます。治療は、気管支拡張薬(短時間作用型β2刺激薬など)による発作時の症状緩和と、吸入ステロイド薬などの長期管理薬による気道の炎症抑制が中心です。重症度に応じて、ロイコトリエン受容体拮抗薬や抗IgE抗体製剤などが用いられることもあります。環境整備によるアレルゲン除去も重要な治療の一部です。

看護のポイント

小児気管支喘息の看護では、発作時の適切な対応と、発作を予防するための長期的な管理が重要です。発作時は、呼吸状態(呼吸数、呼吸様式、陥没呼吸の有無、チアノーゼの有無、喘鳴の程度)を注意深く観察し、医師の指示に基づく吸入薬の投与を確実に行います。患児が安心できるよう、寄り添い、体位を楽にするなどの援助も必要です。発作が落ち着いた後も、再燃に注意し、継続的な観察が必要です。患者教育としては、保護者に対して喘息の病態、発作時の対処法(吸入器の正しい使用方法、発作時のサイン)、長期管理薬の重要性、アレルゲン除去のための環境整備(掃除、換気、ペット対策など)、受動喫煙の回避、運動前後の注意点などを具体的に指導します。患児の年齢に応じて、セルフケア能力を高めるための教育も行います。学校や保育園との連携も重要であり、発作時の対応や薬剤の管理について情報共有を促します。精神的なケアとして、慢性疾患を持つことによる患児や保護者の不安やストレスを傾聴し、サポートすることも大切です。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、まず呼吸状態の観察が最も重要です。呼吸数、呼吸リズム、呼吸様式(努力呼吸、陥没呼吸、鼻翼呼吸の有無)、喘鳴の有無と程度、チアノーゼの有無、意識レベルを確認します。聴診では、呼気性喘鳴の有無や吸気・呼気の延長を確認します。心拍数や血圧も測定し、全身状態を把握します。皮膚の色調や発汗の有無も観察します。検査データとしては、動脈血ガス分析(PaO2、PaCO2、pH)で低酸素血症や換気状態を確認します。パルスオキシメトリーによる経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は、非侵襲的に酸素化状態を評価できるため、頻繁に測定します。ピークフロー値は、気道の狭窄度を客観的に評価する指標であり、患児の年齢や理解度に応じて測定し、日内変動や治療効果を評価します。アレルギー検査(血清IgE値、特異的IgE抗体)の結果から、原因アレルゲンを特定します。胸部X線検査は、肺炎などの合併症の鑑別に有用です。

関連する看護診断

1. 非効果的気道クリアランス:気道分泌物の増加と気管支攣縮による気道狭窄のため。 2. ガス交換障害のリスク:気道狭窄による換気・血流不均衡のため。 3. 不安:呼吸困難感と疾患の慢性性、発作への恐怖のため。 4. 知識不足:疾患の病態、治療、セルフケア管理について保護者や患児が十分に理解していないため。 5. 睡眠パターン障害:夜間の咳や呼吸困難により、十分な睡眠がとれないため。

看護計画の要約

OP(観察計画):呼吸数、呼吸様式、喘鳴の有無と程度、SpO2、心拍数、顔色、意識レベル、発汗の有無を継続的に観察する。吸入薬の効果と副作用の有無を評価する。咳の性状、喀痰の有無と性状を観察する。保護者の不安の程度や疾患への理解度を把握する。TP(治療計画):医師の指示に基づき、吸入薬(短時間作用型β2刺激薬、吸入ステロイド薬など)を正確に投与する。体位ドレナージやスクイージングなど、気道クリアランスを促進するケアを行う。加湿や水分補給を促し、気道分泌物の粘稠度を下げる。患児が安楽に過ごせるよう、体位調整や環境整備を行う。保護者からの質問に丁寧に答え、心理的サポートを提供する。EP(教育計画):保護者に対し、喘息の病態、発作時の対処法(吸入器の正しい使用方法、発作のサイン)、長期管理薬の重要性、アレルゲン除去のための環境整備、受動喫煙の回避、運動前後の注意点について具体的に指導する。年齢に応じた患児へのセルフケア指導(ピークフロー測定、吸入器使用法など)を行う。学校や保育園との情報共有の重要性を説明する。喘息日誌の活用を促し、症状の記録を支援する。