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👶産婦人科

子宮頸がん

しきゅうけいがん

子宮頸部に発生する悪性腫瘍で、HPVが主な原因

子宮頸がん看護HPV手術

疾患の概要

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部に発生するがんです。病態生理としては、多くの場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が原因で、子宮頸部の上皮細胞に異形成が生じ、それが進行してがんに至ります。特に性交渉による感染が主な経路とされています。初期には自覚症状がほとんどなく、進行すると不正出血(特に性交後出血)、帯下(おりもの)の異常(量や色、においの変化)、下腹部痛、腰痛などが現れることがあります。さらに進行すると、排尿・排便障害や下肢の浮腫などが生じることもあります。診断には、子宮頸部細胞診(パップテスト)がスクリーニングとして広く用いられ、異常が見られた場合にはコルポスコピー(拡大鏡診)や組織診(生検)で確定診断を行います。治療は、病期によって異なり、前がん病変やごく早期のがんでは円錐切除術が選択されることがあります。進行がんに対しては、子宮全摘術、広汎子宮全摘術、放射線療法、化学療法、またはこれらの組み合わせが用いられます。近年では、HPVワクチンによる予防も重要視されています。

看護のポイント

子宮頸がん患者の看護では、身体的・精神的苦痛の緩和と生活の質の維持が重要です。観察項目としては、不正出血の有無・量・性状、帯下の状態、疼痛の部位・程度・性状、排尿・排便状況、全身倦怠感、食欲不振、体重変化などを継続的に評価します。治療に伴う副作用(例:放射線治療による皮膚炎、下痢、膀胱炎症状、化学療法による悪心・嘔吐、脱毛、骨髄抑制など)の早期発見と対処も不可欠です。ケアの実際では、疼痛管理、清潔ケア、食事摂取の援助、排泄ケア、精神的サポートが中心となります。特に、性機能への影響やボディイメージの変化に対する心理的支援は重要です。患者教育では、治療内容とその副作用、セルフケアの方法(例:放射線治療中の皮膚ケア、感染予防、食事指導)、退院後の生活指導、定期的なフォローアップの重要性について、患者と家族が理解できるよう丁寧に説明します。また、HPVワクチン接種や定期的な検診の重要性についても啓発します。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、バイタルサイン測定、全身状態の観察(顔色、皮膚・粘膜の状態、浮腫の有無)、腹部診察(圧痛、腫瘤の有無)、外陰部・腟からの出血や帯下の性状確認を行います。特に、不正出血や帯下異常の有無、性交後出血の有無は重要な情報です。疼痛の部位、性質、強さ、持続時間についても詳細に聴取します。排尿・排便状況(頻度、量、性状、排泄時痛の有無)も確認します。検査データでは、子宮頸部細胞診の結果、コルポスコピー・組織診の結果(がんの組織型、浸潤度)、画像診断(MRI、CT、PET-CTなど)による病期診断、腫瘍マーカー(SCC抗原など)の値、血液検査(貧血の有無、肝機能、腎機能、電解質、炎症反応、白血球数、血小板数など)を総合的に評価します。これらの情報から、疾患の進行度、全身状態、治療の選択肢、治療に伴うリスクなどを把握し、個別性のある看護計画を立案します。

関連する看護診断

1. 疼痛:がんの浸潤、治療(手術、放射線療法)に関連する。2. ボディイメージの混乱:子宮摘出、性機能の変化、脱毛(化学療法)に関連する。3. 感染リスク状態:骨髄抑制(化学療法)、手術創、免疫力低下に関連する。4. 不安:診断、治療、予後、再発への恐れ、性機能の変化に関連する。5. 栄養摂取量不足:悪心・嘔吐(化学療法、放射線療法)、食欲不振、口腔内炎に関連する。

看護計画の要約

OP(観察計画):不正出血・帯下の性状と量、疼痛の部位・程度・性状、バイタルサイン、全身状態、治療に伴う副作用(悪心・嘔吐、倦怠感、皮膚炎、排尿・排便障害など)の有無と程度、心理状態(不安、抑うつ)、検査データ(血液検査、腫瘍マーカー、画像診断結果)を継続的に観察する。TP(治療・援助計画):疼痛コントロールのための薬物療法と非薬物療法の実施、清潔ケアの援助、食事摂取の援助(嗜好に合わせた食事提供、少量頻回食の提案)、排泄ケア、治療に伴う副作用の管理(制吐剤の投与、皮膚保護、感染予防策の実施)、精神的サポート(傾聴、不安の表出を促す)、必要に応じて専門職(精神科医、ソーシャルワーカー)への連携を行う。EP(教育計画):疾患、治療内容、予後に関する情報提供、治療に伴う副作用とその対処法、セルフケアの方法(例:放射線治療中の皮膚ケア、感染予防、食事指導)、退院後の生活指導(性生活、仕事、運動、定期検診の重要性)、利用可能な社会資源やサポートグループの紹介、HPVワクチン接種や定期的な検診の重要性について指導する。