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🧠脳神経

脳出血

のうしゅっけつ

脳内の血管が破れて出血する緊急疾患

脳出血看護高血圧意識障害

疾患の概要

脳出血は、脳内の血管が破綻し、脳組織内に出血が生じる疾患です。出血により脳組織が圧迫・破壊され、脳浮腫や頭蓋内圧亢進を引き起こします。病態生理としては、高血圧性脳出血が最も多く、長年の高血圧により血管壁が脆弱化し、破綻に至ります。その他、脳動静脈奇形、脳動脈瘤の破裂、抗凝固薬の使用、アミロイドアンギオパチーなども原因となります。主な症状は、突然発症する激しい頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺、失語症、感覚障害など、出血部位や量によって多様です。出血量が多い場合や脳幹部に出血が生じた場合は、生命に関わる重篤な状態となることがあります。診断には、頭部CTスキャンが必須であり、出血部位、量、脳室への穿破の有無などを確認します。MRIは出血の時期や原因疾患の特定に有用です。治療は、出血の拡大防止と頭蓋内圧の管理が中心となります。急性期には血圧コントロールが重要であり、過度な降圧は脳虚血を招くため慎重に行われます。脳浮腫に対しては浸透圧利尿薬などが用いられます。出血量が多く、脳ヘルニアの危険性がある場合や、脳室穿破による水頭症を合併した場合には、血腫除去術や脳室ドレナージ術などの外科的治療が検討されます。発症後は、合併症の予防とリハビリテーションが重要となります。

看護のポイント

脳出血の看護では、急性期の全身管理と合併症予防が最も重要です。観察項目としては、意識レベル(JCS、GCS)、瞳孔所見(左右差、対光反射)、バイタルサイン(特に血圧、脈拍、呼吸)、麻痺の有無と程度、頭痛の有無と程度、嘔気・嘔吐、けいれんの有無、排泄状況(尿量、便秘)を継続的に観察します。頭蓋内圧亢進症状の早期発見が重要です。ケアの実際では、安静保持、頭部挙上(15〜30度)、頸部屈曲の回避により頭蓋内圧の上昇を抑えます。誤嚥性肺炎予防のため、嚥下機能評価に基づいた食事形態の調整や口腔ケアを徹底します。褥瘡予防のための体位変換、深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキング着用や早期離床支援も重要です。排泄ケアでは、尿失禁や便秘への対応を行います。患者教育では、疾患の概要、治療の必要性、合併症予防、リハビリテーションの重要性を説明します。退院後の生活指導として、高血圧管理、服薬遵守、生活習慣の改善(禁煙、節酒、食生活)、定期的な受診の必要性を指導し、家族への介護指導も行います。

アセスメントのポイント

フィジカルアセスメントでは、意識レベル(JCS、GCS)の経時的変化を注意深く観察します。瞳孔径、左右差、対光反射の有無と速度を確認し、脳ヘルニアの兆候を見逃さないようにします。バイタルサインでは、血圧の変動、脈拍の不整、呼吸パターン(チェーンストークス呼吸など)に注意します。神経学的所見として、運動麻痺(片麻痺、顔面麻痺)、感覚障害、失語症(運動性、感覚性)、構音障害の有無と程度を評価します。頭痛の部位、性状、程度、嘔気・嘔吐の有無も確認します。検査データでは、頭部CTスキャンによる出血部位、量、脳室穿破の有無、脳浮腫の程度、正中線偏位を確認します。血液検査では、凝固機能(PT、APTT)、電解質、血糖値、腎機能、肝機能などを確認し、全身状態を把握します。動脈血ガス分析では、換気状態やアシドーシスの有無を評価します。これらの情報を統合し、患者の全身状態と神経学的状態を正確にアセスメントし、異常の早期発見に努めます。

関連する看護診断

1. 脳組織灌流の変化のリスク: 頭蓋内圧亢進、脳浮腫、出血拡大による脳組織への圧迫と虚血のため。 2. 身体可動性障害: 片麻痺、意識障害、安静臥床により、身体の動きが制限されるため。 3. 嚥下障害: 脳幹部や嚥下中枢の障害、意識レベルの低下により、誤嚥のリスクが高まるため。 4. 身体損傷のリスク: 意識障害、麻痺、けいれん、転倒により、外傷を負う可能性があるため。 5. 家族の対処能力障害: 突然の発症、重篤な病態、予後の不確実性により、家族が精神的・身体的負担を抱えるため。

看護計画の要約

OP(観察計画):意識レベル(JCS/GCS)、瞳孔所見、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、体温)、神経学的所見(麻痺、感覚、失語)、頭痛・嘔気・嘔吐の有無と程度、けいれんの有無、排泄状況、頭部CT所見、血液検査データ(凝固、電解質、血糖)を継続的に観察する。頭蓋内圧亢進症状や脳ヘルニア徴候の早期発見に努める。TP(治療計画・援助計画):医師の指示に基づき、血圧コントロール、脳浮腫軽減のための薬剤投与を正確に実施する。頭部挙上15〜30度、頸部屈曲回避。誤嚥予防のため、嚥下機能評価に基づいた食事形態の調整、口腔ケアの実施。褥瘡予防のための体位変換、皮膚保護。深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキング着用、早期離床支援。排泄ケア(導尿、便秘対策)。安静保持と安楽な環境の提供。リハビリテーション専門職との連携による早期リハビリテーションの開始。EP(教育計画):患者には、疾患の概要、治療の必要性、合併症予防、リハビリテーションの重要性を説明する。家族には、病状、今後の見通し、介護方法、社会資源の活用について情報提供し、精神的サポートを行う。退院後の生活指導として、血圧管理、服薬遵守、生活習慣の改善、定期受診の重要性を指導する。