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❤️循環器

狭心症

きょうしんしょう

冠動脈の狭窄により心筋への血流が一時的に不足する状態

狭心症看護胸痛関連図

疾患の概要

狭心症は、心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈が狭窄したり、一時的に痙攣したりすることで、心筋への酸素供給が需要に追いつかなくなり、胸痛などの症状を引き起こす疾患です。主な原因は動脈硬化で、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙などがリスク因子となります。冠動脈が狭窄すると、運動時や精神的ストレス時に心筋の酸素需要が増大し、虚血が生じます。この虚血が胸痛として自覚されます。症状は、胸部圧迫感、締め付けられるような痛み、左肩や腕への放散痛、息切れ、吐き気などがあります。安静にすることで数分で治まることが多いです。不安定狭心症は、安静時にも症状が出現したり、症状が頻繁になったり、持続時間が長くなったりするもので、心筋梗塞への移行リスクが高いとされています。診断には、心電図(ST部分の低下やT波の平坦化・陰転化)、心臓超音波検査(壁運動異常)、負荷心電図、冠動脈CT、心臓カテーテル検査(冠動脈造影)などが行われます。治療は、薬物療法(硝酸薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬など)、カテーテル治療(経皮的冠動脈インターベンション:PCI)、冠動脈バイパス術(CABG)があります。生活習慣の改善も重要で、禁煙、食生活の改善、適度な運動、ストレス管理が推奨されます。

看護のポイント

狭心症患者の看護のポイントは、症状の早期発見と緩和、心筋虚血の予防、合併症の監視、そして患者教育を通じた自己管理能力の向上です。観察項目としては、胸痛の有無、部位、性質、強さ、持続時間、放散痛の有無、誘因、緩和因子を詳細に聴取します。バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、SpO2)の変動、心電図モニターでのST変化や不整脈の有無も重要です。ケアの実際では、胸痛出現時は速やかに安静を保ち、医師の指示に基づきニトログリセリン舌下錠を投与します。効果の有無や副作用(頭痛、血圧低下)を観察し、必要に応じて追加投与や医師への報告を行います。酸素投与が必要な場合もあります。患者教育では、疾患の病態、胸痛時の対処法(ニトログリセリンの正しい使用方法、効果がない場合の対応)、内服薬の重要性、副作用について説明します。また、禁煙、食事療法(塩分・脂質制限)、適度な運動、ストレス管理、体重管理など、生活習慣改善の重要性を指導し、自己管理を促します。定期的な受診の必要性も伝えます。

アセスメントのポイント

狭心症のアセスメントでは、まず主観的情報として、胸痛の具体的な症状(出現時、持続時間、性質、強さ、放散痛の有無、誘因、緩和因子)、既往歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴、家族歴)、内服薬(特にニトログリセリンの使用状況)を詳細に聴取します。客観的情報としては、フィジカルアセスメントでバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、SpO2)の測定と変動の観察を行います。胸部聴診では、心音の異常(Ⅲ音、Ⅳ音、心雑音)や肺野の湿性ラ音(心不全の兆候)の有無を確認します。末梢循環の評価として、皮膚の色調、冷感、浮腫の有無も観察します。検査データでは、心電図(ST部分の低下、T波の異常、不整脈)、心筋逸脱酵素(CK-MB、トロポニンT/I:心筋梗塞への移行を示唆)、胸部X線(心拡大、肺うっ血)、心臓超音波検査(壁運動異常、駆出率)、血液検査(脂質プロファイル、血糖値、HbA1c)などを確認します。これらの情報から、心筋虚血の程度、心機能の状態、リスク因子の管理状況を総合的に評価します。

関連する看護診断

活動耐性低下(心筋虚血による酸素供給と需要の不均衡のため) 急性疼痛(心筋虚血による胸痛のため) 不安(胸痛の再発や疾患の進行に対する恐れのため) 非効果的な自己健康管理(疾患の知識不足や生活習慣改善への抵抗のため) 心拍出量減少のリスク(心筋虚血による心機能低下のため)

看護計画の要約

OP: 胸痛の有無・性質・強度・持続時間・誘因・緩和因子、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、SpO2)、心電図モニターでのST変化や不整脈、呼吸状態(呼吸困難、チアノーゼ)、皮膚色調、冷汗、悪心・嘔吐の有無、ニトログリセリン使用後の効果と副作用(頭痛、血圧低下)、検査データ(心電図、心筋逸脱酵素、脂質、血糖値)。 TP: 胸痛出現時は安静を保ち、必要に応じて体位調整(セミファウラー位など)を行う。医師の指示に基づきニトログリセリン舌下錠を投与し、効果と副作用を観察する。酸素投与の準備と実施。心電図モニターを装着し、ST変化や不整脈を監視する。精神的ストレスを軽減するための声かけや環境調整。内服薬(抗血小板薬、β遮断薬など)の正確な投与管理。 EP: 疾患の病態、リスク因子、治療の必要性について説明する。胸痛時の対処法(ニトログリセリンの正しい使用方法、効果がない場合の対応)を指導する。内服薬の種類、効果、副作用、飲み忘れ防止の重要性を説明する。禁煙、食事療法(塩分・脂質制限)、適度な運動、ストレス管理、体重管理など、生活習慣改善の重要性を指導する。定期的な受診の必要性と、症状悪化時の受診基準を説明する。