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🩸血液・免疫

アナフィラキシー

あなふぃらきしー

アレルゲンに対する急激な全身性アレルギー反応

アナフィラキシー看護アドレナリンアレルギー

疾患の概要

アナフィラキシーは、アレルゲン(抗原)に曝露後、数分から数時間以内に全身性に急速に発症する重篤な過敏反応です。特に血圧低下や意識障害を伴う場合はアナフィラキシーショックと呼ばれ、生命を脅かす可能性があります。病態生理としては、アレルゲンが体内に入ると、肥満細胞や好塩基球の表面にあるIgE抗体と結合し、これらの細胞からヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどの化学伝達物質が大量に放出されます。これらの物質は、血管透過性の亢進、血管拡張、気管支収縮、平滑筋収縮などを引き起こし、全身症状として現れます。主な原因は、食物(卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツなど)、薬剤(抗菌薬、非ステロイド性抗炎症薬、造影剤など)、蜂などの昆虫毒、ラテックスなど多岐にわたります。症状は多臓器にわたり、皮膚症状(蕁麻疹、紅斑、掻痒感、血管性浮腫)、呼吸器症状(呼吸困難、喘鳴、咳、嗄声)、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)、循環器症状(血圧低下、頻脈、不整脈、意識障害)などが突然出現します。診断は、アレルゲン曝露後の急速な症状発現(特に皮膚・粘膜症状、呼吸器症状、血圧低下・意識障害)に基づき、臨床的に行われます。血液検査でトリプターゼ値の上昇が確認されることもありますが、これは発症から時間が経ってから測定されることが多く、緊急時の診断には用いられません。治療は時間との勝負であり、アドレナリンの筋肉内注射が第一選択となります。その他、輸液、酸素投与、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などが用いられます。

看護のポイント

アナフィラキシーの看護では、迅速な初期対応と継続的な全身状態の観察が最も重要です。患者がアレルゲンに曝露した可能性を常に意識し、早期発見に努めます。症状出現時は、まず患者の安全を確保し、応援を呼び、医師に報告します。アドレナリン自己注射器(エピペン)を所持している患者には、使用を促し、必要に応じて介助します。呼吸状態(呼吸数、呼吸音、SpO2、チアノーゼの有無)、循環状態(血圧、脈拍、意識レベル、皮膚色)、皮膚症状(蕁麻疹、浮腫)、消化器症状の有無と程度を継続的に観察し、記録します。治療が開始されたら、薬剤の効果と副作用を注意深くモニタリングします。患者教育としては、アレルゲンの特定と回避方法、緊急時の対応(アドレナリン自己注射器の使用方法、医療機関への連絡)、アレルギー対応カードの携帯の重要性を指導します。また、アナフィラキシーは再発する可能性があるため、退院後も症状出現時に備えた準備と、アレルギー専門医への受診継続の必要性を伝えます。精神的な不安も大きいため、患者や家族の心情に寄り添い、安心できる環境を提供することも大切です。

アセスメントのポイント

アナフィラキシーのアセスメントでは、症状の急速な進行を念頭に置き、ABC(Airway, Breathing, Circulation)の評価を最優先します。フィジカルアセスメントでは、まず気道開通の有無(喘鳴、嗄声、呼吸困難感)、呼吸状態(呼吸数、努力呼吸の有無、SpO2)、循環状態(血圧、脈拍数、脈の強さ、意識レベル、皮膚の冷感・湿潤、チアノーゼ)を迅速に評価します。皮膚・粘膜症状として、全身の蕁麻疹、紅斑、血管性浮腫(特に顔面、口唇、眼瞼)の有無と広がりを確認します。消化器症状(悪心、嘔吐、腹痛、下痢)の有無も確認します。アレルゲン曝露の経緯(何を食べたか、どの薬を服用したか、虫に刺されたかなど)を聴取し、発症までの時間も把握します。検査データとしては、緊急時に血液検査が行われることは少ないですが、血中トリプターゼ値は診断の補助となり得ます(発症後15分〜3時間でピーク)。血液ガス分析は、呼吸不全の程度を評価するために有用です。心電図モニタリングにより、不整脈の有無を確認します。これらの情報を統合し、アナフィラキシーの重症度を判断し、適切な治療介入を支援します。

関連する看護診断

1. ガス交換障害のリスク状態:気道浮腫や気管支収縮による呼吸困難のため。 2. 心拍出量減少のリスク状態:血管拡張と血管透過性亢進による循環血液量減少と血圧低下のため。 3. 不安:生命を脅かす重篤な症状の急速な発現と、今後の再発への懸念のため。 4. 知識不足:アレルゲンの特定、回避方法、緊急時の対応、アドレナリン自己注射器の使用方法について。

看護計画の要約

【OP】呼吸状態(呼吸数、SpO2、呼吸音、呼吸困難感、チアノーゼの有無)の継続的な観察。循環状態(血圧、脈拍、意識レベル、皮膚色、冷感)の継続的な観察。皮膚・粘膜症状(蕁麻疹、浮腫、紅斑)の有無と程度の観察。消化器症状(悪心、嘔吐、腹痛、下痢)の有無と程度の観察。アレルゲン曝露の有無と経緯の確認。アドレナリン、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などの薬剤効果と副作用の観察。血液検査データ(トリプターゼ、血液ガス)の確認。【TP】医師の指示に基づき、アドレナリンの筋肉内注射を迅速に実施。酸素投与の実施と流量調整。輸液の実施と速度調整。気道確保、体位調整(ショック体位)。バイタルサインの頻回測定と記録。患者の不安軽減のための声かけと環境調整。アレルゲン除去の支援。【EP】アレルゲンの特定と回避方法について指導。アドレナリン自己注射器(エピペン)の正しい使用方法と保管方法について指導。アレルギー対応カードの携帯の重要性について指導。アナフィラキシーの症状と緊急時の対応(医療機関への連絡、救急車要請)について指導。退院後のアレルギー専門医への受診継続の必要性について説明。患者と家族の精神的サポート。