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看護実習の必須スキル!疾患と患者さんをつなぐ「関連図」書き方入門
実習・記録2026/04/217分で読める

看護実習の必須スキル!疾患と患者さんをつなぐ「関連図」書き方入門

看護実習の必須スキル!疾患と患者さんをつなぐ「関連図」書き方入門

看護実習で多くの学生が「難しい」「時間がかかる」と悩むのが「関連図」の作成です。しかし、関連図は患者さんの状態を体系的に理解し、個別性のある看護問題を抽出するための非常に強力なツールです。関連図をしっかり書けるようになると、アセスメントの質が向上し、実習がより有意義なものになるだけでなく、臨床に出てからも役立つ思考プロセスが身につきます。

この記事では、関連図の基本的な考え方から、病態生理と看護問題を効果的につなげるための具体的な書き方、そしてよくある疾患(糖尿病、心不全、脳梗塞)の例まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します。この記事を読めば、関連図作成の苦手意識を克服し、患者さんを深く理解するための一歩を踏み出せるはずです。

関連図とは?なぜ必要なのか

関連図とは、患者さんの疾患、症状、治療、生活背景、心理状態などのさまざまな情報を視覚的に整理し、それらの因果関係を示す図のことです。関連図には大きく分けて「病態関連図」と「全体関連図」の2種類があります。

病態関連図は、疾患の原因から病態生理、症状、治療、そしてそれに伴う副作用や看護問題までの医学的なつながりを中心にまとめたものです。一方、全体関連図は、病態関連図に患者さんの生活習慣、家族背景、社会的役割、心理的要因などの個別的な情報を加えたもので、患者さんの全体像を把握するために用いられます。

関連図を作成する最大の目的は、複雑に絡み合う情報を整理し、患者さんに何が起きていて、どのような看護介入が必要なのかを明確にすることです。情報を一つの図にまとめることで、頭の中が整理され、根拠に基づいた看護計画を立案できるようになります。

関連図の基本的な書き方と手順

関連図をスムーズに書くためには、基本的な手順とルールを理解することが重要です。ここでは、実践的な5つのステップと、よく使われる記号の意味を解説します。

1. 情報収集と中心概念の設定

まずは、カルテや患者さんとのコミュニケーションから必要な情報を収集します。診断名、現病歴、既往歴、検査データ、内服薬、生活背景など、関連しそうな情報を幅広く集めましょう。

情報が集まったら、関連図の中心となる概念を設定します。一般的には、患者さんの主病名(診断名)を中央または上部に配置し、そこから情報を展開していきます。

2. 記号と線のルールを理解する

関連図では、情報の種類や関係性を示すために、いくつかの記号や線を使い分けます。学校や病院によって細かいルールが異なる場合がありますが、一般的なルールは以下の通りです。

記号・線の種類意味・用途具体例
実線の四角(□)実在している事実や確定している情報診断名、現在の症状、実施中の治療
点線の四角(🔲)将来起こりうるリスクや予測される事態転倒リスク、感染リスク
実線の矢印(→)明確な因果関係や影響原因から結果へのつながり
点線の矢印(⇢)予測される因果関係や影響症状から起こりうるリスクへのつながり
二重線の矢印(⇒)実施した治療や看護介入症状に対するケアや投薬

3. 病態生理から症状への展開

中心に配置した疾患名から、なぜその病気が起こったのか(原因)、体の中でどのような変化が起きているのか(病態生理)、そしてその結果としてどのような症状が現れているのかを順に書き出していきます。

このとき、「原因 → 身体変化 → 状態 → 疾患 → 症状」という流れを意識すると、論理的なつながりを作りやすくなります。教科書や参考書を活用して、医学的に正確な病態生理を記載することが重要です。

4. 治療と副作用の追加

症状が書き出せたら、次に行われている治療(投薬、手術、処置など)を追加します。治療は症状や病態に対してどのような効果をもたらすのかを矢印で示します。

同時に、治療に伴う副作用や合併症のリスクも忘れずに記載しましょう。例えば、ステロイド治療を行っている場合は、感染リスクの増加や血糖値の上昇などを関連付けます。

5. 看護問題の抽出と個別性の付与

最後に、これまでに整理した情報から、患者さんの生活にどのような支障が出ているのかを考え、看護問題を抽出します。症状や副作用から導き出される身体的な問題だけでなく、心理的・社会的な問題も考慮します。

さらに、患者さん固有の生活習慣や価値観、家族のサポート状況などを書き加えることで、テンプレートではない「その患者さんだけの」個別性のある関連図が完成します。

よくある疾患の関連図 具体例

理論だけではイメージが湧きにくいかもしれません。ここでは、実習で受け持つことが多い3つの疾患を例に、関連図の具体的な展開方法を解説します。

例1:2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンの作用不足によって高血糖状態が続く疾患です。関連図では、その病態生理から様々な症状や合併症、そして生活習慣との関わりを紐解いていきます。

  • 中心概念: 2型糖尿病
  • 原因・リスク因子: 遺伝的素因、肥満、過食、運動不足、ストレスなど
  • 病態生理: インスリン分泌不全、インスリン抵抗性の増大
  • 症状: 高血糖からくる口渇、多飲、多尿、体重減少。エネルギー不足による倦怠感。
  • 合併症(リスク):
    • 細小血管障害: 網膜症、腎症、神経障害
    • 大血管障害: 心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患
  • 治療: 食事療法、運動療法、薬物療法(経口血糖降下薬、インスリン注射)
  • 看護問題:
    • 知識不足(疾患や自己管理について)
    • セルフケア不足(食事・運動・血糖測定の管理が困難)
    • 感染リスク(高血糖による免疫力低下)
    • 足病変リスク(神経障害、血流障害による)

このように、一つの疾患から多岐にわたる情報が関連付けられます。特に糖尿病は生活習慣が大きく関わるため、患者さんの個別的な情報を加えることが重要です。

例2:慢性心不全

心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態です。関連図では、心機能低下が引き起こす一連の症状(うっ血症状)と、それに伴う看護問題を中心に展開します。

  • 中心概念: 慢性心不全
  • 原因疾患: 虚血性心疾患、高血圧、心筋症、弁膜症など
  • 病態生理: 心拍出量の低下
  • 症状:
    • 左心不全症状: 呼吸困難、起座呼吸、発作性夜間呼吸困難、肺うっ血
    • 右心不全症状: 下腿浮腫、体重増加、頸静脈怒張、肝腫大
    • 全身症状: 倦怠感、活動耐性の低下
  • 増悪因子: 感染、塩分・水分過剰摂取、過労、不整脈
  • 治療: 薬物療法(利尿薬、ACE阻害薬、β遮断薬など)、酸素療法、塩分・水分制限
  • 看護問題:
    • 活動耐性低下(呼吸困難や倦怠感による)
    • 体液量過剰(浮腫や体重増加)
    • 不安(疾患の予後や呼吸困難に対する)
    • 非効果的自己管理(食事・内服管理の困難さ)

例3:脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳組織が壊死し、様々な神経症状が出現する疾患です。関連図では、閉塞部位によって異なる症状と、それに伴うADL(日常生活動作)への影響、そしてリハビリテーションの重要性を示します。

  • 中心概念: 脳梗塞(例:左中大脳動脈領域)
  • リスク因子: 高血圧、心房細動、糖尿病、脂質異常症、喫煙
  • 病態生理: 脳血流の途絶による脳組織の虚血・壊死
  • 症状:
    • 運動障害: 右片麻痺
    • 感覚障害: 右半身の感覚鈍麻
    • 高次脳機能障害: 失語症(運動性・感覚性)、半側空間無視
  • 治療: 血栓溶解療法(t-PA)、抗血小板薬、抗凝固薬、リハビリテーション
  • 看護問題:
    • 身体可動性障害(片麻痺による)
    • セルフケア不足(食事、更衣、排泄、整容など)
    • 嚥下障害リスク(麻痺による)
    • 言語的コミュニケーション障害(失語症による)
    • 皮膚統合性障害リスク(長期臥床による褥瘡発生)

関連図作成をスムーズに進めるコツと注意点

関連図作成には、慣れも必要です。ここでは、少しでもスムーズに進めるためのコツと、陥りがちな注意点を紹介します。

  • 最初から完璧を目指さない: 最初は誰でもうまく書けません。まずは思いつくままに情報を書き出し、線でつないでみることから始めましょう。全体像が見えてから、修正・追加していく方が効率的です。

  • 付箋を活用する: 情報を付箋に書き出し、大きな紙やホワイトボード上で並べ替える方法は非常におすすめです。情報の配置を自由に変更できるため、思考を整理しやすくなります。

  • 「なぜ?」を繰り返す: 矢印で情報をつなぐ際には、常に「なぜそうなったのか?」と自問自答する癖をつけましょう。これにより、論理的な矛盾や情報の不足に気づくことができます。

  • 疾患から症状を直接つなげない: 例えば、「糖尿病 → 口渇」と直接つなぐのではなく、「糖尿病 → 高血糖 → 血漿浸透圧の上昇 → 口渇中枢の刺激 → 口渇」のように、間に病態生理を入れることで、アセスメントの根拠が明確になります。

  • 書き終えたら他者に見てもらう: 完成した関連図は、友人や教員など、他の人に見てもらいましょう。自分では気づかなかった視点や、論理の飛躍を指摘してもらえる良い機会になります。

まとめ:関連図は患者理解を深める最強の武器

関連図の作成は、決して簡単な作業ではありません。しかし、そのプロセスを通じて、疾患の知識、アセスメント能力、論理的思考力など、看護師として不可欠なスキルを総合的に鍛えることができます。

何よりも、一枚の図として患者さんの全体像を捉えることで、その人にとって本当に必要な看護は何かを深く考えるきっかけになります。今回紹介した書き方の手順やコツを参考に、まずは目の前の患者さんの関連図作成に挑戦してみてください。練習を重ねるうちに、関連図はあなたにとって、患者理解を深めるための最強の武器になるはずです。

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執筆・監修AIエンジニア

千葉 穣(Medi-AI 運営者)。AIエンジニアとして、看護学の標準的な教科書や厚生労働省・日本看護協会の公式情報に基づいて記事を執筆しています。

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